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 その2.パネル布とパネルボード(舞台)について


 「Pペーパー」と同じく、「パネル布」とか「パネルボード」という呼び名も一般には通用しません。
 パネル布は“パネルシアターに使用する布”という意味で、そしてパネルボードは“パネルシアターの舞台として使うためのパネル布を張った板”という意味で名付けられたものです。
 でも、舞台=パネルボードと考えてしまうのは、決して正確ではないことを忘れないでくださいね。パネルシアターを演じるあなたの立っている場所も、舞台の大切な一部なのですから・・。
 
 演技者は、絵人形を貼ったり取ったりするだけの“黒衣(クロゴ)”でも、お話しをするだけの“ナレーター”でもありません。子どもたちはパネルボード上の絵人形を見るのと同じように、いや、それ以上に、演じるあなたの一挙手一投足に注目しているのです。
 誤解を恐れずに言えば、主役というかメインというか、とにかく中心になるのは演じている“人”であり、パネルシアターそのものは小道具なんだと割り切るぐらいの気持ちで取り組んでいただけるなら、きっときっと素敵なパネラーになれると思います。
 
・・・パネルボードの大きさは、どれくらいが良いの?・・・
 パネルシアターのボードの大きさは、縦75〜80cm×横100〜110cmくらいが一般的です。この大きさは、私どもの商品「パネルボード」の“標準”の大きさとほぼ同じです。
 古宇田先生を初め、ほとんどの指導者の先生方は、よほどの大会場、よほどの大観客(例えば300名とか400名)でない限り、この大きさのボードを使われています。
 大会場などでは、ときどき“大型”や“特大ワイド”に近い大きさのものを使用されたりもしますが、指導者の先生方は、主に保育士さんや学生さんなどを対象にした講習会で演じられることが多いわけですから、それはまったく別のものだと思っていただいたほうが良いでしょう。
 たいていの皆さんは、幼稚園や保育園などで、数十名程度の子どもたちを相手に演ずることが多いのでしょうから、ボードは“標準”より小さいぐらいでも構わないように思います。
 
 パネルボードは、大きければ良いというものではありません。いくらボードを大きくしても、使用する絵人形の大きさが普通と同じなら、遠くから見えやすくなるということはないでしょう。それに初心者の方には、大き過ぎるボードはとても使いづらいと思います。
 パネルボードを初めて購入する、あるいは自作するということでしたら、縦60cm×横90cmくらいあれば、充分に演ずることができると思います。この大きさは、私どもの商品「パネルボード」の“小型”の大きさです。
 私どもの商品としての「パネルボード」は、7ミリの厚さのスチロール・ボードに「白」あるいは「黒」のパネル布を張り上げた、そのまますぐ舞台として使用できるものです。
 
・・・パネルボードを自分で作るには?・・・
 初めてパネルシアターに取り組む方で、パネル布だけを購入してボードを自作するという場合に、材料として一番お薦めできるのはダンボールです。
 大きめのダンボール箱をつぶして二重の板状にし、大き過ぎるようであれば希望の大きさに切って、ガムテープでしっかりと留めます。白くて何も印刷されていないダンボールでない限り、パネル布を張るほう(舞台となるほう)に白い紙を貼ってください。白のパネル布の場合、下の色や印刷が透けて見えるからです。
 “○○みかん”なんて印刷が透けて見えていたら、ちょっと格好悪いですからね。
 
 たるまないように裏側へ折り返し(2〜3センチ程度)、ガムテープでしっかりと留めます。四隅は重ね貼りすることになりますので、ガムテープは重ね貼りができる布製のものを使ってください。この時、両面テープをうまく併用すると、たるみのない、きれいな仕上がりが期待できます。
 ボードの材料としてベニヤ板などを薦める方もあるようですが、残念ながら欠点だらけです。まず重いこと。少しでも軽いものをと薄手にすれば、湿度の加減でおそろしく反ります。さらに、端がささくれ立って怪我のもとになったりもします。
 また、私どもの商品である「パネルボード」と同じようなスチロール・ボードを購入して作れば申し分ないのですが、適度な重さのある、しっかりしたスチロール・ボードは想像以上に高価なものです(2000円前後)。
 ですから、初めて作るという方にはあまりお薦めできません。
 
・・・パネルボードに枠は必要ないの?・・・
 ネットでパネルシアター関連のページを見ると、ボードの周囲を茶色や黒の枠を付けて囲み、ちょうど額縁のようにした舞台を使っている方もあるようです。「パネルシアターの本」のページでご紹介している本にも、枠付きのボードで演じている写真が収められているものがあります。 
 保育用品などの大手さんが販売しているものも(高いですぅ!)、やはり枠付の“額縁ボード”です。しかも折りたたみ式になっていないので、持ち運びが大変ではないかと思います。
 “額縁ボード”は、見た目だけですと格好が良いように見えるのですが、これですと糸を使った「引っ張り」のトリックが台無しになってしまいます。縁無し・枠無しのボードを使用する理由のひとつは、この「引っ張り」のトリックを使うためなのです。
 (例・・・山の後ろから太陽が昇ってくる、ロケットや飛行機が飛ぶ、というような場面など)
 
 もうひとつ縁無し・枠無しのボードには、無限の可能性を持つ子どもたちを、“枠にはめない”という願いも込められています。しかもこれは、単に考え方の問題だけではありません。実際に見比べたらすぐに感じていただけると思いますが、まるで額縁のようなボードでは、夢を育むような広がりを伝えることはできないのです。
 何度も申し上げているように、舞台=パネルボードではありません。パネルボードの周りも“舞台”なのです。絵人形の登場のさせ方・動かし方・はずし方、そして演者の動き方しだいで、パネルボードが広がったような印象を与えることも可能です。決して枠で区切るべきものではないのです。
 枠付きの“額縁ボード”は、残念ながら、パネルシアターに対する理解不足を物語るものだと言わざるを得ません。もちろんこれは、そういう商品をお使いの皆さんではなく、製造・販売している側に一方的な責任があるのですが・・。
 
・・・「裏打ち」とか「ネル」って何のこと?・・・
 パネルボードを作った余りのパネル布は、絵人形の「裏打ち」に使います。
 Pペーパー同士は、基本的にはくっつきません。ブラシなどを使ってPペーパーを毛羽立たせると、多少くっつきやすくはなりますが、やはり基本的には無理です。ですから絵人形を重ね貼りする時には、上になるほうの絵人形の裏に、余りのパネル布を貼り付けるのです。こうすることによって、何枚もの絵人形を重ねて貼るトリックも使えるようになります。
 (例・・・『カレーライス』の、ガスコンロに点火する場面やカレーが出来上がった場面など)
 
 この裏打ちの説明の時などに、よく使われるのが「ネル」という言葉です。
 「ネル」というのは布地の一種で、正確には「フランネル」と言います。ウール(毛)やコットン(綿)の生地に起毛処理を施した布地のことです。もともとはウール(毛)素材に限定した呼び方のはずなのですが、後にはコットン(綿)や混紡素材に起毛処理を施したものも、同様に「フランネル」と呼ぶようになりました。
 「フランネル」を略して、「ネル」と呼んだり「フラノ」と呼んだりします。特に織物業に詳しいわけではないのですが、一般にウール(毛)の起毛生地を「フラノ」、コットン(綿)の起毛生地を「ネル」と呼ぶことが多いようです。
 「フラノのブレザー」とか「ネルのパジャマ」などと言えば、たいていの方はご存知でしょう。「ネル・シャツ」なんて言葉も一般的ですよね。
 
 「パネル布」というのは、Pペーパーと同じく「不織布」の一種ですが、このパネル布が行き渡るようになる前までは、コットン・フランネル(綿ネル)が使われていたのです。パネルボードにも、もちろん裏打ちにも・・。
 でも、不織布による「パネル布」が使用されるようになってからは、両者の“くっつき性能”に差があり過ぎて、綿ネルを使用する方は少なくなってきました。
 ですから、ネル=パネル布と考えていただければ結構です。
 
 裏打ちやPペーパー同士の「貼り合わせ」には、糊ではなくボンドを使ってください。
 布用または木工用なら大丈夫ですが、一番のお薦めは布・フェルト用の「クラフトボンド」です。水性ですので嫌な刺激臭がなく、乾くと透明になりますから透けても安心です。少し高価ですけど(600円くらい)、手芸用品店またはホームセンターなどで手に入ります。アイロンを使用すれば1〜2時間でもOKですが、普通は重い本などを載せて一晩置いておきます。
 黄色のボトルに赤のキャップでおなじみの木工用ボンドなら、百円ショップでも売っています。
 
・・・他に参考になることは?・・・
 絵人形は、しっかり丁寧に作り、きちんと保管すれば10年でも20年でも使えます。
 でもパネルボードは何年も使ううちに段々と毛玉が目立つようになり、汚れのために茶色っぽく見えるようになってきます。薄汚れた感じが目立つ毛玉の処理については、できるだけ引きちぎらないようにしてください。新たに毛足が長い毛羽立ちができて、次の毛玉の予備軍を作ることになってしまいます。
 ですから、面倒でもよく切れるハサミを使って、毛玉を根元から切り取るようにしてくださいね。
 
 こうして長持ちさせていても、やがて段々と毛羽立ちが少なくなってきて、どうしても絵人形が落下しやすくなってきます。でもほとんどの場合は、そんなふうになるまで使うことはなくて、とにかく、“薄汚れた白”に我慢ならなくなってくるでしょう。
 そうなったら新しいパネル布に張り替えるか、またはボードごと新しくする必要に迫られるわけです。
 普通に考えると、どちらかと言えば絵人形のほうが消耗品的で、パネルボード(舞台)のほうは、ほぼ半永久的に使用できそうに思ったりしますが、実際は逆なのです。
 どれくらい使えるかは、当然使用頻度や保管状態によって違ってきますから一概には言えませんが、保管方法によってかなりの差が出ることは間違いありません。黒ずみ(茶ずみ?)をできるだけ避けるためには、きちんとケースに入れて保管することが大切です。ケースがない方は、不要のシーツなどでくるんでおくと良いでしょう。
 
 ケース、又はくるんでおくものの材質には、ナイロンやビニール、ポリエチレン製のものなどはできるだけ避けたほうが無難です。これらの材質は、ボードを出し入れするたびに擦れて静電気を帯びやすいからです。
 静電気は、周りの空気中にあるゴミやチリを引き寄せますから、肝心のパネルボードだけでなく、保管してある周囲の壁などにまで黒ずみを呼んでしまいます。
 ちなみに「黒」のほうは、「白」と比較したら使用頻度は少ないと思いますし、汚れも目立ちませんから、たぶん張り替え、または買い替えの必要はないと思います。

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